名残りの時期を終え、明日のお稽古より炉に変更致します。
茶の正月とも言える口切りの時期ですね。
本来ならば、茶壺飾りでもしないといけないのですが、まだまだ
教える側も習う側も初心者。
日々のお稽古に精進していくのみであります。
でも意味だけでも少し。。。
『口切りの茶事』は茶人ならば本来最も重要な行事であります。
茶壺の中にあるお茶は、新茶の季節に摘まれた物が茶師に預けられ
入れられる。
濃茶となる葉茶とその周囲には薄茶になる葉茶が納められ壷には
蓋がされ封印される。熟成され
そして5〜6ヶ月後の今頃に口切りされそれを頂く。
現在では美味しいお茶を1年中頂く事が出来ますが、以前は厳粛に
この様な行為がなされていたのです。
お軸も茶の正月とあって凛としたものを掛けさせて頂きました。
『無事是貴人』小林太玄老師のお書きになったダイナミックな書体。
高僧の書かれた墨跡を掛けると何だか背筋もピシとなるでしょうか?(笑)
茶道家の間では馴染みの掛け物ですが、これにも深い意味あいが
あります。
何よりも無事がめでたく無事な日々を送る人こそ尊いのであろうが
『ただ造作する事莫れ』と言われる様に、あるがままなのです。
茶道が人生においてそういう平常心を養う事が全てにおいて通じると
思いますし。。。
今回の道具の取り合わせ。夏に先輩のS先生から頂いた四方棚。
(祖父の作品)に金輪寺棗をお飾りし水指は染付けを。
とっておきの菓子器も初お目見え。。。
表も素敵ですが、
裏がもっと素敵です。
そうです。見えるとこよりも見えない所に気を使う。
身体も心も全て!!
口では簡単に言えますが、中々。。。
木地のくり抜きから塗り迄全行程を行う京都在住の作家土井宏友さんの
作品です。